トランス文化家族看護学(transcultural family health care nursing,超文化家族看護学)とは,“家族システムユニットの文化差を踏まえて,家族インターベンションを実践するための実践科学”であると定義している(法橋,2023).文化は,ひとびとの行為を支配するビリーフと価値観から構成される.そこで,ターゲットファミリーの家族差を理解し,家族/家族員の文化に適した家族支援を提供するために“文化的家族支援”の智慧を働かなければならない.
神戸大学大学院では,家族支援CNSコースの科目として“トランス文化家族看護学”(2単位)を開講している.アメリカや香港といったマクロな文化から,日本の都市部と地方部,さらには,ひとり親家族とふたり親家族のようにミクロな文化を網羅し,多様な家族に適応した家族支援の実際を教授している.
法橋尚宏